マンションのWi-Fiルーターの選び方と置き場所|回線を変える前に試すこと
「光回線を契約したのに遅い」という相談のうち、かなりの割合は回線ではなくWi-Fiが原因です。ルーターが古い、置き場所が悪い、部屋の奥まで電波が届いていない。こうした問題は、回線を乗り換えても解決しません。逆に言えば、数千円〜1万円台の対策で劇的に改善することもあります。
結論:回線を変える前に、ルーターと置き場所を見直す
Wi-Fiが遅いときは、回線の乗り換えを考える前に、次の順番で確認してください。
- 有線で速度を測る:パソコンをLANケーブルでルーターにつないで測り、Wi-Fiと比べる
- ルーターの年式を確認する:5年以上前の機種や、Wi-Fi 5(11ac)より古い規格なら買い替えの候補
- 置き場所を変える:床、棚の中、家の端は避ける
- 届かない部屋には中継機かメッシュWi-Fi:間取りが広い、壁が多いなら
有線で測って速いのに、Wi-Fiだと遅い場合は、原因はWi-Fiです。回線を変えても改善しません。有線でも遅い場合は、回線や建物の配線方式が原因なので、夜だけ遅い原因と対策や配線方式の見分け方を確認してください。
Wi-Fiの規格:今選ぶならWi-Fi 6以上
Wi-Fiルーターには規格があり、新しいほど速く、同時につなぐ台数にも強くなります。
| 規格 | 別名 | 特徴 |
|---|---|---|
| Wi-Fi 4 | 11n | 古い規格。今の光回線の速さを活かせない |
| Wi-Fi 5 | 11ac | 数年前の主流。家族の同時利用ではやや力不足のことも |
| Wi-Fi 6 | 11ax | 同時接続に強い。家族4人なら標準的な選択 |
| Wi-Fi 6E | 11ax(6GHz帯) | 混雑しにくい6GHz帯が使える |
| Wi-Fi 7 | 11be | 最新。10ギガ回線を活かすなら |
家族4人で、スマホ、タブレット、パソコン、テレビ、ゲーム機など10台以上をつなぐ家庭は珍しくありません。同時接続に強いWi-Fi 6以上を選ぶと、夜に家族が一斉に使ったときの安定感が違います。
マンションでは、周りの部屋のWi-Fiの電波が多く飛び交っていて、電波同士がぶつかりやすい環境です。Wi-Fi 6Eや7で使える6GHz帯は、まだ使っている機器が少なく混雑しにくいので、集合住宅では特に効果があります。ただし、6GHz帯を使うには、スマホやパソコン側も対応している必要があります。
IPv6(IPoE)に対応しているか
光回線の速度を活かすうえで、もう1つ大事なのがIPv6(IPoE)への対応です。
ドコモ光、ソフトバンク光、縛りなし光回線など、NTTの回線を使う光コラボの多くは、IPv6(IPoE)方式で夜の混雑を避ける仕組みになっています。ただし、この仕組みを使うには、ルーターが「IPv6 IPoE」や「v6プラス」「transix」など、プロバイダの方式に対応している必要があります。
古いルーターや安価なルーターでは、この方式に対応していないことがあります。その場合、従来の接続方式(PPPoE)でつながり、夜に遅くなりやすくなります。
光回線を申し込むときに、IPv6対応のルーターを無料でレンタルできる窓口を選ぶのも1つの手です。自分で買う場合は、契約するプロバイダの対応方式を確認してから選んでください。
ソフトバンク光の場合は、オプションパックの光BBユニットを使うとIPv6で接続できます。市販のルーターをつなぐときは、ルーター側をブリッジモード(アクセスポイントモード)にしてください。
置き場所のコツ:家の真ん中、高い場所、周りに物を置かない
同じルーターでも、置き場所で速度は大きく変わります。マンションでよくある失敗と、その改善策です。
| よくある置き場所 | 問題 | 改善策 |
|---|---|---|
| 玄関近くの床(光コンセントの近く) | 家の端なので、奥の部屋に届きにくい | LANケーブルを延ばして、家の中央に移す |
| テレビ台の中や棚の奥 | 周りの物が電波をさえぎる | 棚の上など、開けた場所に出す |
| 床に直置き | 電波が床に吸収され、上方向に広がりにくい | 腰〜胸の高さに置く |
| 電子レンジの近く | 2.4GHz帯と干渉する | 離して置くか、5GHz帯を使う |
| 水槽や金属製の棚の近く | 水や金属が電波をさえぎる | 離して置く |
マンションでは、光コンセントが玄関近くや、リビングの端にあることが多いです。そのままルーターを置くと、奥の部屋が電波の届きにくい場所になりがちです。ONU(光回線の終端装置)はそのままにして、ルーターだけをLANケーブルで家の中央に移すと、改善することがよくあります。
届かない部屋には中継機かメッシュWi-Fi
置き場所を変えても届かない部屋があるなら、中継機かメッシュWi-Fiを使います。
| 方式 | しくみ | 向いている家 |
|---|---|---|
| 中継機 | ルーターの電波を受けて、離れた部屋に届け直す | 2LDKまで、届かない部屋が1つだけ |
| メッシュWi-Fi | 複数の機器が連携して、家全体を1つのWi-Fiにする | 3LDK以上、部屋が多い、移動しながら使う |
中継機は安く導入できますが、中継するぶん速度が落ちやすく、部屋を移動したときに電波の切り替えがうまくいかないことがあります。メッシュWi-Fiは価格が高めですが、家のどこにいても自動で一番強い電波につながり、家族の移動が多い家庭では快適です。
マンションの3LDKで、リビングと個室がドアや壁で仕切られているなら、メッシュWi-Fiを検討する価値があります。
2.4GHz帯と5GHz帯を使い分ける
Wi-Fiルーターは、多くの場合、2.4GHz帯と5GHz帯の2種類の電波を出しています(6GHz帯に対応した機種もあります)。
| 周波数帯 | 長所 | 短所 |
|---|---|---|
| 2.4GHz帯 | 壁や障害物に強く、遠くまで届く | 速度が遅め。電子レンジや周りのWi-Fiと干渉しやすい |
| 5GHz帯 | 速く、干渉が少ない | 壁や障害物に弱い |
| 6GHz帯 | とても速く、混雑しにくい | 対応機器が必要。障害物に弱い |
マンションでは、周りの部屋の2.4GHz帯の電波と干渉しやすいので、ルーターと同じ部屋や近くの部屋では5GHz帯につなぐのが基本です。スマホのWi-Fi設定で、ネットワーク名の末尾に「-5G」「-A」などが付いているものが5GHz帯です。
最近のルーターには、2.4GHz帯と5GHz帯を自動で切り替える「バンドステアリング」機能もあります。設定に自信がなければ、この機能を使うと楽です。
店長メモ 光回線の会社にサポートの電話をすると、「お客様のWi-Fi環境の問題です」と言われることがあります。腹は立ちますが、実際にWi-Fiが原因のことは多いです。まず有線で測って、回線とWi-Fiのどちらが悪いかを切り分けておくと、話が早く進みます。
ルーターの設定で見直したい5つのこと
ルーターを買い替える前に、設定を見直すだけで改善することもあります。管理画面(ブラウザやアプリ)を開いて、次の項目を確認してください。
- ファームウェアを最新にする:不具合の修正や性能の改善が含まれている。自動更新をオンにしておくと安心
- IPv6(IPoE)が有効になっているか:プロバイダの方式(v6プラス、transixなど)が正しく選ばれているか
- チャンネルを自動にする:周りの部屋と電波がぶつからないよう、ルーターが空いているチャンネルを選ぶ
- ルーター機能が二重になっていないか:光回線の機器とルーターの両方がルーター機能を持っている場合は、片方をブリッジモードにする
- 管理画面のパスワードを初期設定から変える:セキュリティのため
4つ目の「ルーター機能の二重」は、マンションで意外と多いトラブルです。光回線の会社から借りた機器にルーター機能があるのに、自分で買ったルーターもルーターモードでつないでいると、通信が不安定になったり、速度が落ちたりします。自分で買ったルーターを使うなら、多くの場合はブリッジモード(アクセスポイントモード)に切り替えます。
ルーターの買い替えの目安
次のどれかに当てはまるなら、ルーターの買い替えを考えてみてください。
- 買ってから5年以上たっている
- 規格がWi-Fi 5(11ac)以前
- IPv6(IPoE)に対応していない
- 1日に何度も再起動しないと調子が悪い
- 家族が増えて、つなぐ機器が10台を超えた
家族4人のマンションなら、Wi-Fi 6対応で、IPv6(IPoE)に対応したルーターを選べば、多くの場合は十分です。10ギガ回線を使う予定なら、Wi-Fi 7対応で10ギガのポートがある機種を選びます。10ギガが必要かは10ギガはマンション家族に必要かで確認してください。
よくある質問
Q. 光回線の会社から借りたルーターと、自分で買ったルーター、どちらがいいですか?
借りたルーターは、回線との相性やIPv6の設定が最初から合っているのが長所です。性能に不満がなければ、そのまま使えば十分です。間取りが広い、部屋が多いなどで電波が届かない場合は、自分でメッシュWi-Fiを追加するとよいでしょう。
Q. Wi-Fiが時々切れます。
ルーターの熱、ファームウェア(内部のソフト)の古さ、電波の干渉などが考えられます。ルーターの周りに風通しを作り、管理画面からファームウェアを更新し、5GHz帯につないでみてください。
Q. ルーターはどれくらいの頻度で再起動すればいいですか?
調子が良ければ、定期的に再起動する必要はありません。速度が落ちた、つながりにくいと感じたときに再起動してみてください。最近の機種には、決まった時間に自動で再起動する機能もあります。
Q. ゲーム機は有線と無線、どちらがいいですか?
オンラインゲームをするなら、有線(LANケーブル)がおすすめです。Wi-Fiよりも応答速度(Ping)が安定し、対戦中に途切れにくくなります。
まとめ
- 回線を変える前に、有線とWi-Fiで速度を測り比べる
- 家族4人ならWi-Fi 6以上、IPv6(IPoE)対応のルーターを選ぶ
- ルーターは家の中央、高い場所、周りに物がない場所に置く
- 届かない部屋には中継機、部屋が多いならメッシュWi-Fi
- 近くでは5GHz帯につなぐ。マンションは2.4GHz帯が混雑しやすい
家族のスマホは、どこが多い?
タップするとシミュレーターへ。キャッシュバックまで含めて、年間いくら下がるかを計算します。