光回線店長
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マンションの無料Wi-Fi・全戸一括ネットが遅いときの選択肢|個別契約はできる?

更新:2026年10月22日書いた人:光回線店長

「インターネット無料」と書かれたマンションは、毎月のネット代がかからないのが魅力です。でも住んでみると、夜は動画が止まり、オンライン会議もままならない。そんな声をよく聞きます。全戸一括型のネットには、仕組み上どうしても遅くなりやすい理由があります。この記事では、その理由と、できる対策を順番に説明します。

結論:まず速度を測る。夜に30Mbpsを切るなら、個別契約を検討

全戸一括型のネット(建物全体で1つの回線を契約し、各部屋で分け合うしくみ)が遅いと感じたら、次の順番で考えてください。

  1. 夜の速度を測る:平日21時ごろ、ルーターや差し込み口の近くで
  2. 部屋の中でできる改善を試す:Wi-Fiルーター、接続のしかた
  3. それでも遅ければ、個別に回線を契約する:光回線かホームルーター

目安として、夜に下り30Mbpsを安定して下回るなら、家族4人での利用は厳しい場面が多くなります。個別契約を検討する価値があります。

全戸一括型のネットが遅くなりやすい理由

全戸一括型のネットは、建物全体で1本または数本の光回線を契約し、その回線を全部屋で分け合います。たとえば、1ギガの回線を50戸で分け合うと、全員が同時に使ったときの1戸あたりの速度は、単純計算で20Mbpsです。

建物の戸数 回線(1ギガ)を全員で分けたときの1戸あたり
20戸 約50Mbps
50戸 約20Mbps
100戸 約10Mbps

もちろん、全員が同時に目いっぱい使うことは少ないので、実際の速度はこれより速いことがほとんどです。でも、夜の20〜23時のように、多くの住人が動画やゲームを使う時間帯は、この「分け合い」の影響が強く出ます。

さらに、全戸一括型のネットの多くは、建物の中の配線にLANケーブルやVDSL(電話線)を使っています。配線方式によっては、上限が100Mbpsになることもあります。自分の部屋の方式は配線方式の見分け方で確認できます。

まず、部屋の中でできる改善

個別契約を考える前に、部屋の中でできる改善を試してみましょう。全戸一括型のネットでも、部屋の中の環境が原因で遅くなっていることがあります。

備え付けのWi-Fiだけを使っていないか

全戸一括型のネットには、各部屋に小さなWi-Fiの機器が備え付けられていることがあります。この機器は、コストを抑えるために性能が控えめなことが多く、家族の端末がたくさんつながると力不足になりがちです。

壁にLANの差し込み口があるなら、自分でWi-Fi 6対応のルーターを買って、LANケーブルでつなぐだけで、Wi-Fiが大きく改善することがあります。このとき、ルーターは「ブリッジモード(アクセスポイントモード)」に設定してください。建物側にルーター機能があるため、二重にルーター機能を持たせると不安定になります。

有線でつなげる機器は有線に

テレビ、ゲーム機、在宅勤務用のパソコンなど、動かさない機器はLANケーブルでつなぐと安定します。Wi-Fiの混雑を減らすことにもなるので、ほかの家族のスマホも少し快適になります。

5GHz帯を使う

マンションは周りの部屋のWi-Fiが多く、2.4GHz帯は電波が混み合います。ルーターの近くでは、5GHz帯につなぐのが基本です。詳しい選び方と設定はマンションのWi-Fiルーターの選び方にまとめています。

店長メモ 部屋のWi-Fiを改善しても、建物の回線そのものが混んでいれば、限界があります。有線でつないで測っても夜に遅いなら、それは建物側の問題です。そこから先は、個別契約を考えましょう。

個別に光回線を契約する方法

全戸一括型のネットがあるマンションでも、多くの場合、自分で別の光回線を契約できます。ただし、事前に確認したいことがあります。

管理会社に確認すること

  1. 個別に光回線を契約してもいいか:規約で禁止されている建物はまれだが、念のため
  2. 建物に入っている光回線の会社:NTT、auひかり、NURO光など。全戸一括型とは別に入っていることも
  3. 部屋に光コンセントがあるか、工事が必要か
  4. 全戸一括型のネット代は、個別契約しても家賃や管理費から引かれないか

4つ目は大事なポイントです。全戸一括型のネット代は、家賃や管理費に含まれていることがほとんどで、個別に光回線を契約しても、その分が安くなることは基本的にありません。つまり、ネット代を二重に払うことになります。

それでも、毎晩のストレスや、在宅勤務の不安定さを考えると、個別契約に切り替える家族は少なくありません。月4,000円前後で、夜も安定したネットが手に入ると考えれば、十分に価値のある出費です。

個別契約で選ぶ回線

個別に契約する回線は、建物に入っている光回線の会社と、家族のスマホで決めます。

建物に入っている回線 家族のスマホ 第一候補
NTTの光回線 ドコモ ドコモ光
NTTの光回線 ソフトバンク・ワイモバイル ソフトバンク光
NTTの光回線 au・UQ auひかりプラス
auひかり au・UQ auひかり
NURO光 ソフトバンク・ワイモバイル NURO光
どれでも 格安SIM・バラバラ 縛りなし光回線

建物に全戸一括型以外の光回線が入っていない場合は、戸建て向けのプランで部屋に光回線を引くか、ホームルーターを選ぶことになります。

工事ができないなら、ホームルーター

建物の都合で工事ができない、または全戸一括型以外の回線が入っていない場合は、ホームルーターが現実的な選択肢です。

ホームルーターは、モバイル回線(4G・5G)を使うので、建物の回線の混雑とは関係なく使えます。電波の良い部屋なら、夜でも全戸一括型より速いことがあります。2026年7月時点の利用者の実測平均では、WiMAXのホームルーターで下り約228Mbps、ドコモ home 5Gで約207Mbpsでした。

家族のスマホと同じ会社のホームルーターを選べば、セット割も使えます。電波の状況は部屋によって違うので、お試し期間のある窓口を選ぶと安心です。詳しくはホームルーターの結論をどうぞ。

全戸一括型でも、セット割の対象になる場合がある

2026年4月、ソフトバンクは、フリービットグループが提供するマンション全戸一括型インターネット(SoftBank光+を導入済みのマンション)を、おうち割 光セットの対象に加えると発表しました。申込受付は2026年6月からで、対象のマンションは順次増える予定です。

これまで「全戸一括型だからセット割は使えない」と思われていた建物でも、ソフトバンクやワイモバイルのスマホが割引になる可能性があります。建物のネットの提供会社を管理会社に確認し、対象かどうか調べてみてください。対象なら、ネット代は家賃に含まれたまま、スマホ代だけ下がることになります。

全戸一括型にも良い点はある

遅さが目立つ全戸一括型のネットですが、良い点もあります。個別契約に切り替える前に、自分の家族にとって何が大事かを整理しておきましょう。

良い点 内容
追加のネット代がかからない 家賃や管理費に含まれているので、毎月の支払いが増えない
入居した日から使える 申込や工事を待たずに、引っ越し当日からネットが使える
契約や解約の手続きがいらない 引っ越すときも、ネットの解約手続きが不要
違約金がない 個人の契約ではないので、縛りや違約金がない

1人暮らしや、夫婦2人で動画やSNSが中心なら、全戸一括型で十分なことも多いです。家族4人で、夜に同時に使う時間が長い家庭ほど、個別契約のメリットが大きくなります。

入居してすぐの数か月は全戸一括型で様子を見て、夜の速度に不満が続くようなら個別契約に切り替える、という順番もおすすめです。急いで契約する必要はありません。

引っ越しを考えているなら

全戸一括型のネットが遅いことが、引っ越しを考えるきっかけになる家族もいます。次の住まいを選ぶときは、「インターネット無料」の言葉だけで判断せず、次の点を確認しましょう。

  • 全戸一括型か、個別契約か
  • 全戸一括型なら、建物の戸数と回線の速さ(1ギガか10ギガか)
  • 部屋までの配線方式(光配線、LAN、VDSL)
  • 個別に光回線を契約できるか

引っ越しのネットの段取りは引っ越しのネット回線の手続きにまとめています。

よくある質問

Q. 全戸一括型のネットの速度を上げてもらうよう、管理会社に頼めますか?

建物全体の回線を増やしたり、10ギガに変えたりするのは、管理会社や提供会社の判断です。住人から改善の要望を出すことはできます。同じように困っている住人が多ければ、改善につながることもあります。

Q. 全戸一括型のネットを解約して、ネット代を家賃から引いてもらえますか?

ほとんどの建物では、ネット代は建物全体の契約に含まれているため、個別に解約して家賃を下げることはできません。

Q. 夜に遅くなるのは、同じ建物の誰かが大量に使っているからですか?

特定の誰かが原因とは限りません。夜は多くの住人が同時に動画やゲームを使うので、建物全体の回線が混雑します。全戸一括型の提供会社によっては、1戸あたりの通信量に上限を設けて、混雑を抑えているところもあります。

Q. 全戸一括型のネットと、個別契約の光回線を両方使うことはできますか?

できます。たとえば、在宅勤務のパソコンやテレビは個別契約の光回線、スマホは全戸一括型のWi-Fi、というように使い分けている家庭もあります。

まとめ

  • 全戸一括型は、建物の回線を全戸で分け合うので夜に遅くなりやすい
  • まず夜の速度を測る。有線でも遅ければ建物側の問題
  • 部屋の中では、自前のルーター、有線接続、5GHz帯で改善できることがある
  • 個別契約は可能なことが多い。ただしネット代は二重になる
  • 工事ができなければホームルーター。セット割が使える会社を選ぶ
  • 全戸一括型でも、おうち割 光セットの対象になる建物が出てきている
  • 入居直後は全戸一括型で様子を見て、不満が続けば個別契約に切り替える
光速シミュレーター

家族のスマホは、どこが多い?

タップするとシミュレーターへ。キャッシュバックまで含めて、年間いくら下がるかを計算します。

出典・参考
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