マンションの配線方式の見分け方|光配線・VDSL・LANを5分で確認する
「光回線を契約したのに遅い」というマンションの悩みの多くは、回線の会社ではなく建物の配線方式が原因です。どの会社を選んでも、配線方式が変わらなければ速さの上限は変わりません。契約の前に、自分の建物の方式を確認しておきましょう。部屋の中を見るだけで、5分ほどでわかります。
結論:配線方式は3つ。部屋の壁を見ればだいたいわかる
マンションの光回線は、電柱から建物の共用部(MDF室や電気室)までは、どの方式でも光ファイバーで届いています。違うのは、共用部から各部屋までの配線です。
| 配線方式 | 共用部から部屋まで | 最大速度の目安 | 部屋の壁にあるもの |
|---|---|---|---|
| 光配線方式 | 光ファイバー | 1ギガ〜10ギガ | 「光」と書かれた光コンセント |
| VDSL方式 | 電話線 | 100Mbps | 電話のモジュラージャック |
| LAN配線方式 | LANケーブル | 100Mbps〜1ギガ | LANの差し込み口 |
いちばん速いのは光配線方式です。VDSL方式は上限が100Mbpsで、家族の同時利用が多いと夜に物足りなくなることがあります。LAN配線方式は建物の設備次第で、100Mbpsのことも1ギガのこともあります。
部屋の中で見分ける方法
まずは部屋の壁をぐるっと見て回ってください。リビングや、テレビの近く、玄関付近の壁に、次のどれかがあるはずです。
光コンセントがある → 光配線方式
壁の差し込み口に「光」「光コンセント」「SC」などの文字があれば、光配線方式です。差し込み口がふたで閉じられているタイプや、カバーを外すと細いケーブルの差し込み口が出てくるタイプがあります。
光コンセントがない場合でも、光配線方式の建物で、まだ誰も光回線を使っていない部屋なら、工事のときに光コンセントを取り付けることがあります。
電話のモジュラージャックしかない → VDSL方式の可能性
壁に電話線の差し込み口しかなく、光コンセントが見当たらない場合は、VDSL方式の可能性が高いです。VDSL方式では、部屋の中にVDSLモデムという機器を置き、電話線から信号を受け取ります。
前の住人が置いていった機器や、管理会社から渡された機器に「VDSL」と書かれていれば、ほぼ確定です。
LANの差し込み口がある → LAN配線方式
壁にLANケーブルの差し込み口(電話の差し込み口より一回り大きい)があれば、LAN配線方式です。全戸一括型のインターネットが付いた建物によく見られます。
ただし、LANの差し込み口がある建物でも、光コンセントが別にあることもあります。両方ある場合は、管理会社に確認してください。
管理会社に聞くときのコツ
部屋の中を見てもわからないときは、管理会社に聞くのが確実です。聞き方にはちょっとしたコツがあります。
「インターネットは使えますか?」と聞くと、「使えます」とだけ返ってきて、知りたいことがわかりません。次のように、具体的に聞いてください。
- 建物に入っている光回線の会社はどこですか(NTT、auひかり、NURO光など)
- 共用部から部屋までの配線は、光ファイバー、電話線、LANケーブルのどれですか
- 部屋に光回線を引く工事をしてもいいですか。穴を開ける必要がある場合の決まりはありますか
- 全戸一括のインターネットはありますか。ある場合、個別に契約してもいいですか
この4つを聞けば、選べる回線と、速さの上限、工事の可否がまとめてわかります。工事のルールについては工事で壁に穴は開くのかもあわせて読んでおくと安心です。
公式サイトのエリア検索でわかること
各社の公式サイトで、住所と建物名を入力すると、建物の対応状況がわかります。
| 会社 | エリア検索でわかること |
|---|---|
| NTT(フレッツ光) | 建物に光回線が入っているか(建物によっては配線方式も) |
| auひかり | 建物の対応タイプ(タイプV、E、Fなど) |
| NURO光 | for マンションの対象か、マンションタイプか |
auひかりのマンションタイプのうち、タイプVやタイプEは、多くの場合VDSL方式です。au公式の資料でも、マンションのタイプVやEなどは通信速度の上限が100Mbpsと明記されています。
配線方式ごとの選び方
配線方式がわかったら、次のように考えます。
光配線方式の建物。どの回線を選んでも速度の不満は少ないはずです。家族のスマホに合わせて、セット割の効く回線を選びましょう。詳しくは光回線の選び方の手順どおりに進めてください。
VDSL方式の建物。どの会社を選んでも、上限は100Mbpsです。家族4人が動画やSNSを使う程度なら足りることも多いですが、夜に遅いと感じているなら、配線方式そのものを変える方法を考えます。方法は3つあり、VDSLから抜け出す方法で詳しく解説しています。
LAN配線方式の建物。全戸一括型のインターネットなら、まずは今の速度を測ってみましょう。夜に遅い場合は、個別に光回線を契約できるか管理会社に確認します。詳しくは無料Wi-Fiが遅いときの選択肢をどうぞ。
店長メモ 同じ光回線の会社でも、電話回線(VDSL)方式のマンションは通信速度が遅くなります。会社を乗り換えて「変わらなかった」という人は、配線方式を確認してみてください。
速度を測って、配線方式の影響を確かめる
配線方式の影響は、速度を測るとわかりやすく出ます。スマホやパソコンでスピードテストのサイトを開き、次のように測ってみてください。
- ルーターの近くで、Wi-Fiで測る
- できればパソコンをLANケーブルでルーターにつないで測る
- 平日の夜21時ごろと、休日の昼の2回測る
VDSL方式の建物では、どんなに条件が良くても、下りの速度は100Mbpsを大きく超えません。夜に30Mbpsを下回るようなら、建物の共用部分の混雑か、VDSLの限界が出ていると考えられます。
一方、光配線方式なのに夜だけ極端に遅い場合は、配線方式ではなく、プロバイダの混雑や接続方式(IPv4のPPPoE)が原因かもしれません。その場合の対策は夜だけ遅い原因と対策にまとめています。家族に必要な速度の目安は速度の目安を参考にしてください。
入居前・引っ越し前に確認したいこと
これから引っ越す予定があるなら、物件を選ぶ段階で配線方式を確認しておくと、入居後に後悔しません。内見のときや、不動産会社とのやりとりで、次の点を確認してください。
- 部屋の壁に光コンセントがあるか:内見のときに、リビングや各部屋の壁を見る
- 建物に入っている光回線の会社:不動産会社に聞くか、物件資料の設備欄を見る
- 全戸一括型のインターネットがあるか:ある場合は、速度と、個別契約ができるか
- 工事のルール:光回線の工事をするときに、管理会社への届け出が必要か
物件の広告に「インターネット対応」と書かれていても、それが光配線方式なのか、VDSL方式なのか、全戸一括型なのかはわかりません。「インターネット無料」の物件は、全戸一括型で、夜に遅いこともあります。家族で在宅勤務やオンライン授業をするなら、内見の段階で必ず確認しておきましょう。
引っ越しのときのネットの段取りは引っ越しのネット回線の手続きにまとめています。
VDSLやLAN配線にも良い点はある
VDSL方式やLAN配線方式は、速度の面では光配線方式に劣りますが、悪いことばかりではありません。
工事が簡単で早い。VDSL方式は、建物の電話線を使うので、部屋の中での大がかりな工事がいりません。申込から開通までが早いことが多いです。
月額が安いことがある。auひかりのマンションタイプのように、建物の契約戸数が多い場合は月額が安くなるプランもあります。
家族の使い方によっては十分。家族4人が動画やSNSを使う程度なら、100Mbpsでも困らない家庭は多いです。夜の速度を測って、30Mbps以上安定して出ていれば、無理に変える必要はありません。
大事なのは、「自分の建物の上限を知ったうえで選ぶ」ことです。上限を知らずに回線を乗り換えて、速くならずにがっかりする。これが一番もったいないパターンです。
よくある質問
Q. 賃貸で、光コンセントがありません。光回線は使えますか?
建物に光配線方式の設備があれば、工事のときに光コンセントを取り付けられることが多いです。取り付けにはエアコンのダクトや既存の配管を使うのが一般的で、壁に新しく穴を開けることはまれです。念のため、管理会社か大家さんに一言伝えておきましょう。
Q. VDSL方式の建物でも、10ギガプランは使えますか?
使えません。10ギガプランを使うには、部屋まで光ファイバーで届いている必要があります。VDSL方式の建物では、どの会社でも上限は100Mbpsです。
Q. 管理会社が配線方式を知らないと言われました。
NTTの公式サイトで住所を入力して確認するか、光回線の申込窓口に問い合わせると調べてもらえます。申込前の確認だけなら、契約しなくても答えてもらえます。
Q. 同じ建物の中で、部屋によって配線方式が違うことはありますか?
あります。建物全体はVDSL方式でも、あとから一部の部屋だけ光配線にしていることや、光回線の会社によって方式が違うことがあります。たとえば、NTTの回線はVDSL方式でも、auひかりやNURO光は光配線方式で入っている、という建物もあります。各社のエリア検索で、会社ごとに確認してください。
Q. 新築マンションなら光配線方式ですか?
近年の新築マンションは光配線方式が多いですが、全戸一括型のインターネットでLAN配線方式を採用している建物もあります。入居前に、販売会社や管理会社に確認してください。
まとめ
- 配線方式は「光配線」「VDSL」「LAN配線」の3つ
- 部屋の壁に光コンセントがあれば光配線方式、電話の差し込み口だけならVDSLの可能性
- 管理会社には「回線の会社」「部屋までの配線」「工事の可否」「全戸一括の有無」の4つを聞く
- VDSL方式は、どの会社を選んでも上限100Mbps
- 契約前に配線方式を確認すると、「乗り換えたのに速くならない」を防げる
家族のスマホは、どこが多い?
タップするとシミュレーターへ。キャッシュバックまで含めて、年間いくら下がるかを計算します。